人間には約四十兆の細胞がありますが、細胞一つひとつが何をやっているかというと、仲びる、縮む、伸びる、縮む、ただそれだけです。細胞はそれ以外、何もやっていません。四十兆まとめて見ても、伸び縮みをやっているだけです。しゃべるのも伸び縮みの結果、手を振るのも伸び縮みの結果です。伸び縮みの何が面白いのでしょうか。そのような目で見れば、生きることにあまり深い意味はないとわかります。いわゆるミステリー・オブ・ライフはありません。よく「命の神秘」などといいますが、それは世界を幻覚で見ているからです。本当は伸びると縮むだけなのに。細胞について考えてみても、いったい四〇兆の細胞のうち、どの細胞が「私」と言えますか。この爪の細胞があなたですか? いえ、これは爪であって私ではありません。髪の毛の細胞があなたですか? いや、髪の毛は髪の毛であって、私ではありません。四十兆の細胞一つひとつについて聞いてみたら、私は消えます。一つも私ではありません。『一瞬で心を磨くブッダの教え』第1章 私たちの悩みを解決する《自我》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【仏教と科学が発見した 「幸せの法則」 - 「心」と「私」のメカニズムを解き明かす p54】
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