「滅」でなく「壊」のインパクト
- sapporobukkyoujuku
- 10月8日
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「滅」でなく「壊」のインパクト 壊滅智のパーリ語はbhaṅga-ñāṇa です。滅はパーリ語でnirodha です。壊はbhaṅga です。意味は同じですが、ニュアンスが違います。Bhaṅga とは「壊れる・壊滅」という意味なので、刺激的で怖く感じる言葉です。ものごとが存在するのは当たり前である、という前提で今まで生きてきた凡夫の行者が、自分の固定概念と正反対の現実を経験するはめになります。これは刺激的な経験です。ガラスが割れるように、高価な壺が割れるように、地震でマイホームが壊れていくように、心に強いインパクトを与える体験になります。 滅という言葉は、ものごとに対する一般論のようなものです。心にインパクトを与える単語ではないのです。ものごとが滅することは、知識でも理解できます。しかし、ただの概念的な理解では、心に影響を与えません。自分の人格にも、何の影響も与えません。ヴィパッサナー実践でありのままに現象を観察することは、それとはわけが違います。壊れるのだ、破滅するのだ、という仰天するような気持ちの経験なのです。【アルボムッレ・スマナサーラ、ブッダの実践心理学第8巻、株式会社サンガ2013 p42】
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