top of page
検索

61 生も苦である

  • sapporobukkyoujuku
  • 2024年12月7日
  • 読了時間: 2分

 私たちは、「ご出産おめでとうございます」「お誕生日おめでとうございます」などと「生」を喜んでお祝いしています。皆さんが、「これはたいへんめでたいことなのに、なぜ「苦」だと言うのか、よくわからない」と思うのは仕方がないことです。「生は苦である」という話は単純な感想でもなく、気休めに言っていることでもありません。客観的で厳密な因果法則に則って現象の世界を知り尽くした、智慧の完成者であるお釈迦さまの言葉なのです。一般の人は「わからない」と思っても、理解できるように頑張るしかありません。では、「ご出産おめでとうございます」という場合、幸福を感じているのは誰でしょうか? 生まれてきた赤ちゃんには、どうでもよいことでしょう。大人が自分勝手に喜んでいるだけではないでしょうか。生まれた本人にとっては、出産そのものが耐え切れないほどの苦です。生まれるときに赤ちゃんは、“生きるか死ぬか”というほどの危険に遭遇しています。「おめでとう」と言われるようなことではなく、実際は「何とか命拾いしただけのこと」です。そして、そこから成長することも苦の連続です。赤ちゃんの状況を無視して大人が大いに喜んでいるとしても、「生は苦」です。『一瞬で心を磨くブッダの教え』第1章 私たちの悩みを解決する《苦》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【あべこべ感覚 役立つ初期仏教法話7」(サンガ新 022, 2008年) p124】

 
 
 

最新記事

すべて表示
身体の動きに気づく

yadidaṃ cattāro satipaṭṭhānā.‘‘Katame cattāro? すなわち、それは四念処です。 四とは何か。Cattāro satipaṭṭhānā と説かれているので、気づきは四種類になります。気づきとは、みな毎日やっていることではないかと思わ...

 
 
 
道には目的がなければいけない

そこで次に、サティ (sati) の実践によって「nibbānassa sacchikiriyā 涅槃を体得・体験する」という、達すべき目的を示しているのです。現代人は「瞑想すれば精神的に落ち着きます。集中力が上がります。ストレスがなくなります。それで仕事がはかどります」と...

 
 
 
群盲象を撫でる

生まれつき目が見えない人々の前に、象を連れてきて、「象とはどんな生き物かと説明してくれ」と、その人々に頼みます。身体を触った人にとって、象は山のような存在です。尾っぽを触った人には、ホウキのような存在です。足を撫でた人からすれば臼のような存在です。耳を撫でた人は脱穀に使う箕...

 
 
 

Comments


bottom of page