top of page
検索

84 観察して理性を育む大切さ

  • sapporobukkyoujuku
  • 2024年12月30日
  • 読了時間: 2分

 理性が大事であることをさらに説明します。たとえば、仏教では五戒を守ることは善い行いとされます。しかし「いわれるからやらないようにしよう」「悪行為だからやめます」というだけではダメなのです。そこに理解(如理作意)がなくてはいけないのです。たとえば、なぜ嘘はよくないのか。そして、嘘をつかない生き方をすると、どんな結果になるのか。不幸になるのか、幸福になるのか。嘘をつかないようにするとき、どのような不都合が起こるのか、それがどのようにして乗り越えられるべきか、などなどにも気をつけなくてはいけないのです。「嘘をつかない」という実験をしながらどのよう に心が変わって成長するのかと、発見する必要があります。つまり、いくら善行為をしても、そのことで理性が生まれなければ意味が ないのです。心の底から「ああ、本当に嘘をつくのは、自分が不幸になる悪行為なのだ」「嘘をつかないというのは、自分が幸福になる善行為なのだ」としっかり理解できればありがたいのです。理性が生まれてくると戒を守ることも、善を行なうことも、無理な行為ではなく自然な行為に変わってしまうのです。理解を伴わない、如理作意のない形式的な善行為だけでは無智を叩けません。『一瞬で心を磨くブッダの教え』第2章 仏教の教えを理解する《修行》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【バカの理由 役立つ初期仏教法話12 (サンガ新書045) p165】

 
 
 

最新記事

すべて表示
身体の動きに気づく

yadidaṃ cattāro satipaṭṭhānā.‘‘Katame cattāro? すなわち、それは四念処です。 四とは何か。Cattāro satipaṭṭhānā と説かれているので、気づきは四種類になります。気づきとは、みな毎日やっていることではないかと思わ...

 
 
 
道には目的がなければいけない

そこで次に、サティ (sati) の実践によって「nibbānassa sacchikiriyā 涅槃を体得・体験する」という、達すべき目的を示しているのです。現代人は「瞑想すれば精神的に落ち着きます。集中力が上がります。ストレスがなくなります。それで仕事がはかどります」と...

 
 
 
群盲象を撫でる

生まれつき目が見えない人々の前に、象を連れてきて、「象とはどんな生き物かと説明してくれ」と、その人々に頼みます。身体を触った人にとって、象は山のような存在です。尾っぽを触った人には、ホウキのような存在です。足を撫でた人からすれば臼のような存在です。耳を撫でた人は脱穀に使う箕...

 
 
 

Comments


bottom of page