炎の喩え
- sapporobukkyoujuku
- 11月3日
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炎の喩え 解脱を説明した具体的な例を挙げると、「涅槃に入られた聖者はどうなるのか?」という質問に、炎の喩えでお答えになっています。「油と芯があって、炎が燃え続けます。もし油か芯がなくなったら、炎は消えます」と。そのとき、「その炎はどこへ行ったのでしょうか?」と質問されても、それは答えられません。言えるのは、「原因がなくなったから結果もなくなった」ということです。 煩悩があるから、五蘊で生命が構成されて変化し続けるのです。煩悩を完全に断ったところで、五蘊の構成が終了します。生命体として輪廻転生することが終了するのです。 このような説明を聞くと、涅槃とは虚無の境地ではないかと勘違いします。かつて仏教を研究した西洋の学者たちから、「ブッダは生きる苦しみに対して虚無の境地を推薦しているのだ」と言われたこともありました。これはそれほど突飛な意見というわけではありません。お釈迦様の時代にも、「ブッダは虚無を説く人である」との批判を受けたことがありました。お釈迦様はその批判に、「私は一切の煩悩の断滅を推薦するから、虚無主義者だと言われても構わない」とユーモア的に答えられています。 【アルボムッレ・スマナサーラ、ブッダの実践心理学第8巻、株式会社サンガ2013 p55】
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