観智:⑦ 脱欲智は解脱したい気持ち
- sapporobukkyoujuku
- 10月26日
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観智:⑦ 脱欲智は解脱したい気持ち 次に、脱欲智muccitukamyatā-ñāṇa(muñcitukamyatā-ñāṇa)です。解脱したいという気持ちが生まれるのです。そう言うと、疑問が起こりますね。「最初から『解脱したい』という気持ちでヴィパッサナー実践を始めたのではないでしょうか?」という疑問です。簡単に言えば、修行を始めるときの「解脱に達したい」という気持ちは、本物ではなかったということです。今度は本気です。優柔不断も曖昧さもなく、覚悟しているのです。 仏教を学ぶ誰もが、お釈迦様が解脱を推薦しているのだ、涅槃に達すべきと説かれるのだ、と知っています。しかし、その境地をかならず自分も経験しなくてはいけない、というところまではいきません。「ブッダの教えにはまったく偽りがないので、涅槃という境地も本当かもしれません」という程度の理解です。深く仏教を学んで、実践に励む意欲を起こした人々は、解脱に達したいと思います。その気持ちは、「涅槃は究極な安らぎである」というお釈迦様の言葉に頼って起きたものです。何かを分かったわけではないのです。【アルボムッレ・スマナサーラ、ブッダの実践心理学第8巻、株式会社サンガ2013 p51】
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